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「悪魔のゲーム」-④

その時ふと思い出した、

自分が今日、神に何を願ったのか、

安らかな死を願ったではないか。

賭けに勝つと全財産をくれると言っていたが、

そんな人間がいるわけが無い、

全財産とは借金かもしれないではないか、

一方負けると運転手の男に命を渡す事になるのだが、

運転手が実は天使であるならば、

願いどおり安らかな死が与えられるのではないか。

F氏は負けるべきだと考えて、ただの数字のカードの方を選び手に取った。

「まだ見ないで下さいよ」

G氏はそう言って残りのカードを手に取った。

G氏は余裕満々だった、

テーブルには特殊な仕掛けが施されていて、

2枚のカードが入れ替わって映し出されるようになっていたので、

当然賭けに勝ちたい者ならば

数字の大きいカードに見える実は数字の小さいカードの方を引く事になり、

確実に自分が勝てると考えたのだ。

「では、同時にカードを表にして出しましょう」

2人は同時にテーブルの上にカードを置いた。

次の瞬間G氏と運転手は消え去り、F氏だけが取り残され、

気付くと着ていた服が新品のスーツに変り、

ポケットの中には自分の名前の入った大企業の社長の名刺があった。

部屋の中をいろいろと調べてみると、自分の写真が飾られていたり、

自分の名前の書かれた手紙や書類がいろいろと出てきた。

賭けにはF氏が勝った。

悪魔はG氏の魂を受け取って地獄に帰り、

G氏の全財産をF氏の名義に入れ替えていた。


全身に白い衣装をまとい、

背中に羽を生やした人間に似たかたちの者たちが、

退屈そうに地上を眺めてつぶやいた。

「悪魔のおかげで仕事が減って退屈だ、

我々を退屈させるなんて、なんて悪い悪魔だ」
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