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眠かった、ある日。

ある日の電車内の変な人達、

女子社員と別の会社の男子社員の会話。

女子社員が、上司から粉飾決算を言いつけられて、

やらない方が良いですよねと男子社員に相談している。

黒字決算にしたいみたいで、

赤字だとかっこ悪いからみたいだという理由だと言い、

それに対し男子社員が、信用問題とか、

借金したいからじゃないかと言うと、

そうではないという。

儲かっていないし赤字なのだけれど、黒字にして

税金も払うと社長は言っていると言う女子社員。

そばにいる私が聞いていても気にしないで話している。

粉飾決算を経理担当者としてやろうとしているという話を、

赤の他人の私に聞かれても、

確かに赤の他人だから大丈夫かもしれないけれど、

知り合いの男子社員に聞かせるのは良いのだろうか。

会社の秘密を外でべらべら喋る、

この女子社員を経理担当にしている

会社の上司とか社長とかは、

信用しているのにこんな所で裏切られている事を知ったらどうなるだろう。

それにしてもこの女子社員の会社の経営者は、

何を目的に粉飾決算しようとしているのだろうか、

とても気になる。

「散歩の神様Ⅲ」-4

神主のような格好をした老人からの問いかけに、

「えっ、お礼なんて結構ですが、出来れば今朝に戻って一からやり直したいです」と答える。

「何かよほどの事があったようじゃが、やり直しがきかないのが人生と言うもの。

これを持って行きなさい」

老人が手渡すものを受け取り、受け取った物を見てから、

もう一度顔を上げると、老人は姿を消していた。

夜の神社の境内には小さな電球が1つ点っているだけで、明かりとしては頼りない。

神社の外からの街明かりの方が、頼りになるくらいで薄暗かったから、

受け取った物が何なのか良く分からなかった。

神社の外に出て、街灯のそばまで行って、良く見てみると、それは大吉のおみくじだった。

姿の消し具合は、本物の神様のように思えるが、

手渡されたものが一枚のおみくじでは、神だとしても頼りない。

それでも、これから良いことが起こる前兆のようにも思え、少し元気になれた。

帰宅して、置き忘れていた携帯電話をチェックすると、

午前中に連絡の取れなかったマコトを心配する伝言が、お客からも部長からも入っていた。

そして、夜9時過ぎに部長から、明朝は早めに出社するようにとメールが入っていた。



週末、休日出勤で仕事を片付けたマコトは、夕方の帰り道、神社に立ち寄った。

御社の前で、賽銭箱に小銭を投げ込み、2礼2拍手の後、お礼をつぶやいた。

「おかげさまで、取引は上手く行くことになりました、ありがとうございます」

もう一度2拍手して一礼し、横を見ると、夜中には気付かなかった立て札があり、

神社の云われが書かれていた。

読み終えてまたつぶやく。

「なるほど、散歩の神様か。お客も部長も散歩好きだから、霊験あらたかと言うことかな」

「いやいや、元々お前が皆に好かれておるからじゃよ」

いつの間にか直ぐそばに神主風の老人は立っていた。

「元々何の問題も無かったことじゃ。

神など少し気分を変えることぐらいしか出来んものじゃよ。はっはっは・・・」

神主風の老人はすーっと姿を消していった。

マコトは思う、大吉のおみくじは、確かに元気をくれたと。

そして、その元気のおかげで、翌日お客にも部長にも、好い印象を持ってもらえたのだと。

‐END‐

「散歩の神様Ⅲ」-3

お客の会社に到着して、とにかく謝ったけれど、怒って追い返されただけだった。

どうしようもなくて、一旦帰社すると、今度は部長に無視される。

無視されているけれど、だからこそ部長の怒りが伝わってくる。

見かねた課長が助け舟を出してくれて、

「部長には謝ったって許してはもらえないよ、明日一緒にお客さんのところに謝りに行こう、

私から部長にもお願いしておくから」と言ってもらい救われた。

そんな状況で仕事も手につかず、当然残業になる。

部長と課長は接待だといって、定時を過ぎると出て行った。

部長はほぼ毎日誰かを接待しているが、それだけ接待される人がいるからで、

自分も早く接待される側の人間になりたいものだと思う。

夜九時を回ったところで、事務所に残る最後の一人になり、このまま頑張っていても、

今日は、はかどりそうに無いと思い、週末にでも休日出勤して片付けることに、

覚悟を決めて、自分も退社することにした。

机の上を片付けて、椅子の背もたれに掛けていた上着を手に取り、

その内ポケットに拾った手紙を入れていた事に気付く。

宛先の住所が、会社から程近い場所の神社であったことを思い出し、

手紙を届けがてら、運気アップの為に御参りして行く事にした。

会社を出て、裏通りに回ると直ぐに、親水公園があり、

公園の中の遊歩道を駅の方向に暫らく行くと、目的の神社の近くに着く。

駅への道としては遠回りだけれど、殺風景な街中を歩くよりマシだなと思い、

急がない時は親水公園を通るようにしようと決めた。

古びた感じの鳥居をくぐり、境内に足を踏み入れて、御社までの参道を進み、

落ち葉を踏みしめる感触を心地よく楽しむ。

賽銭箱の奥に供物台があり、その台の上に手紙をそっと載せてから、

小銭を数枚取り出して、賽銭箱に投げ込み、手を合わせる。

思いついて拍手を2回行い、2度頭を下げ、願い事をつぶやく。

「どうか、取引先の機嫌が直りますように、取引を今後も続けられますように、

それから、部長の機嫌が直って、とにかく仕事が上手く行きますように、お願いします」

もう一度頭を下げてから、2拍手し、振り返るとそこに、

神主のような格好をした老人が立っていた。

「願いがかなうと良いな。

それはともかく、手紙を届けてくれたお礼をしなくてはならんな。

何か願い事はあるか」

「散歩の神様Ⅲ」-2 

マコトは5分ほど歩いたところで、その歩みは徐々に重くなり、速度を落していった。

それでも次の駅までは、普通に歩いても15分程度の距離だから、

残りを少しゆっくり歩いても、10分ほどで到着できる。

あせっても仕方が無いと思いつつも、急いで歩いていると、

幸いにも空いている公衆電話を発見した。

とにかく会社に電話をして、客先と連絡を取ってもらい、対応してもらうように頼んだ。

電話を済ませたことで一息つき、疲れもあり、後はのんびりと散歩気分で歩こうと決め、

線路脇の道を、民家の玄関先の草花などを眺めながら歩いた。

線路際にも所々草木が植えられていて、ちょっと珍しい感じの花が咲いている。

右を眺め見飽きると左を眺め、のんびりと歩いていると、

線路際の路上に手紙が落ちているのを見つけて拾った。

いつもなら、現金でも落ちていない限り、

道に落ちているものなど絶対に拾わないマコトだったが、

なぜかその手紙は気になって拾い上げた。

手紙の封筒の表には、宛名の住所と名前がしっかり書かれていたが、

切手は貼られておらず、裏を見ても差出人の住所氏名は書かれていなかった。

遺失物だから、警察に届けるのが良いと思ったが、

宛名の住所はマコトが知っている場所でもあったので、

ついでのときにでも届けてやろうと思い、上着の内ポケットにしまいこんだ。

次の駅に到着して、電車に乗る前に会社に電話した。

幸いこの駅では公衆電話の台数が多いせいもあって、直ぐに電話を使うことが出来た。

「どうしてもっと早くに連絡しなかったの、お客さんかんかんになって怒ってたわよ、

ちょっと待って、部長に代わるから」

事務の女性から良く無い話を聞かされ、

続いて、部長から、「直ぐにお客さんの会社に行って謝って来い」と怒鳴られた。

言い訳は一切言う暇すら与えられなかった。

自分が携帯電話を忘れてきたのが悪いのだから、仕方が無い。

お客にも部長にもそんな言い訳をしたって意味がないから、

とにかく頭を下げて謝り続けるしかなさそうだ。

それで、仕事が続けられればよいのだが、

厳しい時代少しでも隙を見せれば、他社が入り込んでくる。

今は、とにかくお客さんのところへ謝りに行くことが先決と考えて、出来る限り急いで向った。

「散歩の神様Ⅲ」-1 

マコトは、線路脇の道を歩いていた。

鉄道が運休し、待ち合わせの場所まで向う手段が、他になくなったからだ。

マコトが乗っていた電車が、鉄橋の手前で停止したのは2時間ほど前。

理由は強風によるもで、風が弱まるまで、いつまで停止しているか分からないと、

アナウンスが流れた。

たしかに、最も風を受けやすい鉄橋の手前での停止だけれど、

線路は高架されていて、停止した場所は鉄橋ではなく、

コンクリート製の場所だけど、風を受けるのは同じだろうと腹立たしく思う。

こんな日に限って携帯電話を忘れてきた。

電車内では、携帯で会社に連絡する人が沢山いたけれど、

人に携帯を借りる事は、なぜか思いつかなかった。

1時間くらい車内で待たされた末に、

電車を下りて最寄り駅まで歩いて移動する事になった。

最寄り駅は、鉄橋を渡ったらすぐの場所にあり、電車から下ろされた乗客は、

徒歩で鉄橋を渡り、駅まで歩かされた。

当然のこと、みんな電車が渡れない橋を、人が歩いて渡れるって事は、

電車は人よりひ弱なのかとか、電車って風で人より飛びやすいのか、

などと愚痴りながら歩く。

マコトは、駅に到着して直ぐに、公衆電話を探し電話しようとしたが、

そこには長い列が出来ていた。

みな携帯を持つようになって、公衆電話の必要性が低くなったから、

電話の数は減らされていて、こういう時に数が足らないことになる。

とにかく急ぐ必要があったから、タクシーを拾おうとしたが、

タクシー乗り場も人で溢れている上に、タクシーなどほとんど来る様子が無い。

お客との待ち合わせ場所に、最も早く到着する方法、

線路脇の道を次の駅まで歩き、地下鉄に乗ることだった。

強風の影響ならば、地下鉄は大丈夫だろうと考えたのだ。

そして、マコトは歩き始めた。

運が良ければ途中でタクシーを拾えるかもしれないと期待しながら。

初秋の頃で、陽射しもあるから、早足で歩くと汗だくになる所だが、

風があるので汗が直ぐに乾くのが、不幸中の唯一の幸いだった。

しかし、電車内で1時間以上立たされていた後の、早歩きは体力的に長続きしなかった。
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