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「コピーマシン」-5

ユウスケが警備の仕事に着いて、

もうすぐ6時間が経とうとしていた。

警備を開始して直ぐの見回りは、

引継ぎの為に先輩といろいろ話をして直ぐだったから、

まだ寂しさをさほど感じる事はなかった。

3時間後の2度目の見回りは、

精神的にかなりきつくなっていた。

ビルの上階の窓からは、

少し離れた先の住宅街が見え、

家の庭にちらちらと輝くイルミネーションが楽しそうなのを見ると、

自分の孤独感がよりいっそう高まっていく。

見回りを終えてから、

管理人室での孤独な3時間は、

彼の精神をいよいよ怪しい状態に追い込んだ。

管理人室にも小型のテレビは置かれていたので、

寂しさを紛らす為にテレビでも点けていればよかったかもしれない。

ユウスケは、暇な時間に本を読もうと思い、

読みかけの文庫本を1冊持ってきていたのだが、

最初の3時間で読み終わり、

その後はテレビを点ける事を思いつく事無く、

自分の今までの人生と、

将来の自分の事を想像して時間を過ごしてしまった。

これが良くなかった。

自分の過去の思い出の中の、

寂しかった事ばかりが頭に思い浮かび、

将来の自分の姿にも、

楽しい夢を見つけることが出来なかったのだ。

勿論、今日突然にそんなことになった訳ではなく、

冬休みに入る少し前からうつ気味に思い悩んでいたのだが、

冬休みでいよいよ友人とも話すことがなくなってしまうと、

孤独感がうつ病を一気に悪化させていたのだった。

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