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「コピーマシン」-7

管理人室の電話を手に、本部へダイヤルする。

「○△◇ビルの警備員ユウスケです、定時連絡です」

「はい、こちら本部。

ユウスケ君クリスマスイブにご苦労様、

何か変わった事はありますか」

ユウスケは、先ほどのポルターガイストの事を話そうかと思ったが、

決心がつかず「いえ、特に問題ありません」と答えていた。

「今日は寒いから、暖かくして寝ろよ。

ああ、そうだ、忘年会には参加できなかったようだけど、

また年明け早々に新年会をやるからね、

今度はユウスケも参加するだろう」

「えっ、はい、都合があえば参加したいです」

「そうか、今度は俺が幹事だから、

ユウスケが必ず参加できるように、お前の都合のいい日にしてやるよ」

「本当ですか、ありがとう御座います。

年明けは試験とかありませんから、ここのバイトの都合さえ合えば大丈夫です」

「じゃあ、シフト表を見てよさそうな日に決めるぞ」

「はい、お願いします」

「そういえば、今夜○○テレビで面白い深夜番組やってたな、

あの番組の司会者が好きでね、

そこの管理人室ならテレビ見られるよな、良いなー」

暫らく他愛も無い話をした後電話を切り、テレビを点けた。

ユウスケは、生きている人間と話をしたおかげで生気を取り戻し始めていた。

さらに、久々にテレビでお笑い番組を見て、

心の中の悪いものがかなり出て行った。

年明けそうそうの新年会の約束は、寂しさをほぼ消し去っていた。



マンションで秘密実験を行なっていた悪の秘密結社「森の太陽」の研究員達は、

向いのビルの警備員を狙い、コピー波動を照射し、

警備員が突然走り去ったのを見て、

やはり失敗だったかと、がっくりと肩を落としていた。

たまたま、一人の青年の命を救ったのかもしれないなどと言うことには、

誰も気付くはずもなく、

ただただ失敗したと嘆いていた。

-END-

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