fc2ブログ

「視聴率」-4

マサシは自分が約束の時間に遅れたのではないことを確認する為、

何度も手帳を取り出して眺め、

約束の時間と場所を確認した。

銀行員を待たせただけならば問題ないが、

新規顧客として照会される相手を待たせてしまうような事になっては不味いと思い、

高橋氏が来られないのなら、

相手先の顧客の連絡先だけでも聞けないものかと考えていた。

相手先の情報は何一つ知らされておらず、

今日会って高橋氏から初めて教えてもらう事になっていたのだから、

何としても高橋氏に会わなければならない。

30分ほど経ってからマサシは席を立ち、

今一度高橋氏を呼び出してもらうように受け付けにお願いした。

「はい、かしこまりました。呼び出しますので、しばらくお待ち下さい」

受付の女性は誰に対するのとも同じ様に、

マサシに対しても丁寧に対応したが、

一向に心のこもらない話し方に苛立ちを感じた。

苛立ちを感じても、

銀行の受付で騒げはどういう事になるかぐらい想像がつくから、

大人しく席に戻り座った。

受け付けの前に並べられたベンチには大勢の人が順番を待って座っている。

マサシは、銀行は人を待たせるプロみたいな所だから、

俺がこれほど待たされている事など、

彼らからすれば当たり前なのかもしれないと思い始めていた。

フリーエリア
カレンダー
05 | 2010/06 | 07
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 - - -
リンク
最新記事
カテゴリ
最新コメント
検索フォーム
QRコード
QRコード