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「乾電池くん」-1 

ぼくはアルカリ乾電池だ。

なぜそう思うのか、そう断言できるのかと言えば、

ぼくの体の横に「アルカリ乾電池」と書いてあるからだ。

アルカリも乾電池も意味が良く分からないけど、

アルカリ乾電池なら分かる、ぼくの事だ。

ぼくがアルカリ乾電池なのだから、アルカリ乾電池とは、ぼくの事。

そして、ぼくの隣にも同じアルカリ乾電池が並んでいる。

同じアルカリ乾電池が四つ並んで、

透明のプラスチックの薄いシートに包まれている。

なぜぼく以外に三つ同じ物が並べられ、

四つセットにされているのかは良く分からない。

ぼく1つでも結構強力だという自信はあるのに。

それにしてもなぜぼくは、

百円ショップのレジ前なんかに並べられているのだろう。

百円で4本と言う事は、ぼくだけだと25円と言う事なのか。

安すぎるだろう。

ぼくにはもっと価値がある、そんな自信があるのになぜだ。

ぼくを造って運んできた連中は、ぼくの価値をその程度と考えたのか。

実際作られるときには結構近代的な工場で、

結構手間隙かけて作られたと思うのに、

それがたった25円か、悲しい。

悲しくてなんだか爆発しそうだ。

駄目だ駄目だ、横にいる仲間達はとても冷静に静かにしているのに、

ぼく1人だけ興奮してどうする。

まだ今は冷静に静かに待っていよう。

ぼくの役目が何なのか、何の為に作られたのかも良く分からない。

たぶんぼくを使う人次第なのだろう。

何となくそんな気がする。

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