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「乾電池くん」-2

百円ショップと言う場所は、

ちょこちょこといろいろな人が出入りする場所のようだ。

ときたま、ぼくらの側の乾電池仲間を手にとって、

レジの上に置く人がいる。

ぼくらもそのうちレジの上に置かれるのだろうと思っていたら、

半世紀ほど生きたと思われる男の人間が、

ぼくら4本セットのアルカリ乾電池を手に取った。

ぼくは、この人間次第で、ぼくの役目が決まるのだろうと考えた。

できればもう少し頭のよさそうな人に買われたかった。

こんなさえない男によって自分の運命が決まるのは残念な気がする。

男はぼくらをレジ台の上に載せ、

他に手にしていたマグカップとセロテープも載せた。

「3点で315円になります」と店員が言うが、

男は黙って小銭を捜し320円を台に置いた。

男が小銭を探している間に店員は、

マグカップを数枚の紙で包み、

ぼく達とセロテープも一緒にレジ袋に入れていた。

台の上の小銭を拾うと「320円お預かりします」

レジを操作して「5円のおつりとレシートです」

と言って男に5円玉とレシートを重ねて手渡した。

しかし、百円ショップのはずなのに、なぜ三点で300円にならないのだろう。

マグカップかセロテープどちらかが特別価格か何かなのだろうか。

確かにマグカップはぼくら4本よりかなり大きくて重いから

少し高くなっていても仕方が無いかもしれない。

男はレジ袋を持ち、

おつりとレシートを受け取りポケットに押し込むと、店を後にした。

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