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「乾電池くん」-4

引き出しが閉められてしまうと、

ぼくらは暗闇の中に閉じ込められてしまった。

いろいろな不安もあり、僕らより先にいるアルカリ乾電池仲間に話しかけてみた。

まずは、ぼく達より体の大きなアルカリ乾電池に向って話し掛ける。

「あの、貴方もアルカリ乾電池ですよね、

ずいぶん僕らより大きいですが、同じ仲間なんですよね」

まったく返事が無い。

「あの、すみません、私の声聞こえますか」

暫く待つが返事が無い。

もう一度話しかけても何も言ってくれない。

仕方なく今度はぼく達より少し小ぶりのアルカリ乾電池に話しかけてみる。

「あの、君もアルカリ乾電池ですよね、

ぼくらより小さいですが、パワーはどれくらいなんですか」

返事が無い。

なぜだかぼく以外のアルカリ乾電池は無口なものばかりで、

ぼくと一緒にプラスチックの薄いシートに包まれているアルカリ乾電池も、

いくら話しかけても返事をしてくれなかった。

たまたまぼくと一緒になった三本だけが特別寡黙で無口なのかと思っていたが、

ぼく以外はみんな無口で、ちっとも口を利かない連中ばかりのようだ。

これでは、この家の主の事をなかなか知る事が出来ないではないか、

ぼくの目的もなかなかつかめない事になってしまう。

でも、ぼくは割りと気の長いほうだから、

我慢する事にした。

いずれここで待っていれば、

必ず使われる日が来るはずだから。

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