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「シャーペン君」-5

両横にもびっしりとシャーペンやらなにやらの商品が並んでいるから、

良く見えるようになったのは、前方の陳列棚だけだ。

目の前の陳列棚には、ぼくらとはあまり関係のない、スナック菓子が並んでいる。

パンパンに膨れ上がった袋に入ったスナック菓子たち。

買い物客は、ぼくらの方より

スナック菓子を見ている人の方が圧倒的に多いのがなんだか悔しい。

中年の男がやってきて、やはりスナック菓子を眺めている。

どうせぼくらを買うつもりは無いのだろうと思っていたら、

突然こちらを振り向いて、ぼくを手に取り買い物籠に放り込んだ。

いよいよぼくは買われていくのだなと思い、

退屈な日々ともおさらばだと喜んだ。

しかし喜んだのもつかの間で、

中年男はかごの中のぼくを再び手に取り睨みつけたと思ったら、

陳列棚のフックに戻してしまった。

しかも、間違ってボールペンが並んでぶら下がるフックへだ。

その列の先頭にいたボールペンが一応声をかけてくれた、

「お帰り」と一言だけだが何となく慰められた気がする。

ところがぼくはついていた、

ほんの数分後にぼくは再び手に取られ、そのままレジへと運ばれた。

ぼくをレジへと運んだのは、女性の会社員。

会社の制服らしきものを身につけていた。

ぼくは彼女の手に握られたまま、彼女の会社に運ばれて、

彼女の机の上に置かれた。

いよいよぼくの初仕事だ、どんな仕事をすることになるのだろう。

初文字は何だろう。

やはり最初は何かためし書きされるのだろうか。

でもシャーペンだから、正式な書類の作成には使われないのだろう。

下書きか、メモ書きか、それもぼくの運命だから仕方が無い。

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