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「見えすぎる病気」-1 

彼がその病気に気付いたのは、まだ子供の頃だったらしい。

気付いて最初は普通になりたいと思ったりもしたらしいが、

本気で治そうとはしなかった。

直ぐに治せないとあきらめた訳ではない。

治す必要を感じなくなっただけだ。

病気だからと言って悪い事ばかりではない。

病気なのにその症状が役に立つ場合もある。

病気だから弊害もあるが利点もあり、

彼は弊害よりも利点の方を楽しむ事を思いついたから、

治療の必要を考えなかったのだろう。

彼の病気は、見えないものが見えてしまうという症状の出る脳の病気だった。

病気と言っても悪性の腫瘍とかではなく、一種の発育異常で、

脳の一部で異常に神経細胞が発育し、

脳細胞同士を繋ぐ神経線維も異常に多くなっていた。

発育の異常だから病気ではあるけれど、

より発育しているのだから障害と言うべきかは疑問が残る。

それでも普通とは違うのだし、

一部分だけが特別に発育しているというのは、

一種の障害に間違いないとも言える。

とにかく彼の脳は一部の能力だけが異常に発育した状態だったので、

普通の人には見えないものが見えるという症状を発症していた。

人には見えないものだからと言って、

人ならざるものが見えるとか、

妖怪の類が見えるとかのオカルト的な話ではない。

紫外線とか赤外線とかの

普通の人には光として感じ取る事の出来ない光が見えるというものだった。

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