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「妖精のお手伝い」-9

どうしたら良いのだろうか。

何か本当に役に立つお手伝いをして、

僕たちが少しは役に立つと思わせれば、

考え直して僕たちを元に戻してくれるだろうか。

僕は、ふわふわと天井を漂いながら考えた。

トントンとドアをたたく音がした。

母さんが玄関に向いドアを開けると、お隣のおばさんが立っていた。

「大変だったわねー。泥棒が入ったんですって」

「ええ、でも不思議な事に何も取られなかったんですよ」

「本当に何も取られなかったの、お向かいの奥さんが、

この家から何か大きなものを運び出してる人を、見たらしいじゃない」

「ええ、家のドアの鍵が壊されていたから、

泥棒が入ったってわかったんですけど、

家の中を隅々まで調べても、何も無くなっていなかったんですよ」

「そうなの、何か忘れているものがあるんじゃない」

「そう言われてもねえ、

何か忘れているような気もするんですけど、うーん。

取られてないのよねー」

「まあ、被害がなくてよかったけれど、うちも気をつけなくちゃね」

「被害はありますよ。玄関の鍵が壊されたんですから」

「確かに、だけど被害がそれだけですんで良かったじゃない」

「まあそうですけどね」

まさか、泥棒が僕たちの体を盗んで行ったんじゃないだろうか。

お向かいさんが見たのは、

家から僕たちの銅像を運び出していた泥棒じゃないだろうか。

でも、盗まれているのなら、

親ならもっと大騒ぎしていてもよさそうなものだ。

もしかして、父さんも母さんも、

僕たちのことを本当に忘れてしまったんじゃないだろうか。

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