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「恐竜君の人生」-5

なぜ痒いのかと思っていたら、

小さな生き物たちが僕の体に住み着いていた。

体は重いけど結構早く走れるし、

体の表面は結構固い物で覆われているから、

僕を食べようなんて無謀なことを考える者などいないと思っていた。

小さな生き物は、僕の様にでかい身体でも、

少しずつなら食べられるということだ。

どうやら僕らもこの世の支配者では無いらしい。

そのうち僕はこの小さな生き物に食べつくされてしまうのだろう。

大きな体を維持する為には、沢山の食べ物が必要だから、

何でもかんでも食べなきゃ駄目だ。

美味しい木の実や、甘い蜜だけ食べたいけれど、とても足りないから、

すっぱい葉っぱや辛い葉っぱ、渋い木の皮や苦い根っこも食べなきゃならない。

だからと言って小さな生き物に生まれ変わったのでは、

また大きな生き物に追い回される暮らしに逆戻りだ。

僕は悲しくなってしまった。

悲しくて空を見上げると、白い雲がのんびりとゆったりと浮かんで流れていた。

次に生まれ変わったら、あんな者になりたいと思った。

空には敵が居ないから小さくたって大丈夫だろう。

そして、お腹が空いた時だけ空から舞い降りて美味しいものだけ食べて再び空に舞い戻る。

風に乗ってフワフワするのは気持ちよさそうだ。

こんなでかい図体で、地響きを鳴らしながら、

大きな足跡をつけて歩くのはなんだかダサくて嫌だった。

地上に比べ、空はなんだかとても広くて綺麗で果てしないものに思えた。

あんな広くて綺麗な世界に住みたいと願った。

 
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