fc2ブログ

「幸運」-2

 明日の朝私は、ある施設へ向かう事になる。

その施設では正午の鐘と共に結婚式が執り行われるはずだ。

そして、同時に殺戮が始まる。

 私は結婚式が始まる直前に、その施設に居る全ての人間を眠らせる。

ただの一人も逃げ出さないように。

誰も武器を持たない、誰も抵抗しない、

そんな場所を攻撃した連中を、世界の目の前に晒し、

悪行として世界に伝える。

 大国はその威信を傷つけられて、

少しは行動を慎むようになるだろう。

そして、そのような非道な戦いを続けようとする政府が崩壊する事を願う。

 本当であれば、攻撃する側を全員眠らせてしまいたい。

しかし、洋上の空母から飛び立つ爆撃機や戦闘機が相手では、

私の立ち入る隙が無い。

はるか上空を飛ぶ爆撃機のパイロットを眠らせるほどの能力は無いし、

洋上の空母が相手では、もぐり込む事も難しい。

 施設の利用者には、

テロ組織の施設として狙われているという事は知らせたのだが、

誰もこの平和な国が爆撃の対象になる事を信じなかった。

結婚式は、我々の警告を無視して予定通り行なわれるだろう。

だからせめて攻撃を受けて苦しんで死ぬ前に、

その苦しみを取り除く為に深い眠りに着かせてやろうと思う。

 もしかしたら全ては我々の組織が仕組んだ事なのかもしれない。

我々の組織はテロ組織では無いと考えている。

巨悪の存在である大国をゲリラ活動で苦しめる事が我々の仕事だ。

大国がこんな平和な国で爆撃を行なえば、

世界中から批判を受けるだろう事は誰が考えても分かる。

フリーエリア
カレンダー
09 | 2010/10 | 11
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
リンク
最新記事
カテゴリ
最新コメント
検索フォーム
QRコード
QRコード