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「幸運」-3

 批判を受ける事は大国の政治家達だって分かる事だろう。

なのにあえて爆撃を行なおうとしている。

何かの陰謀が有りそうな気がしても当然だろう。

私がこんな仕事を命じられたのも少し胡散臭さを感じないわけではない。

わざわざ眠らせて、安楽死させてやろうなんて誰が考えたのだろう。

 まあ、単純に私の能力を活用する事を思いついただけかもしれないが、

私の能力がもう少し巧みなものであればと思う。

催眠術師のように、眠らせた人間を操る事が出来れば、

全員を避難させる事も出来るだろう。

それが出来ないから、せめて楽に死なせてやるだけだ。

 それでもたぶん私と直接対峙して勝てる人間はいないだろう。

組織の仲間達ですら私の能力を恐れて直接会う事を避けている。

何しろ私と直接会えば、どんな人間でも眠らされてしまい、

眠っている間に何をされるか分からないのだから。

だから、私と行動を共にしたがる人間がいないと言う事になる。

私が戦闘部隊と行動を共にすれば、史上最強のゲリラ部隊に成れるのに、

私の能力を知るものは、みんな私を恐れて近づかない。

 結局私の役目として与えられる仕事は、こんなものになってしまう。

相手が兵士達であればまだ私も戦ったという気になれるのに、

相手が民間人で、単純に死の恐怖を取り去ってやるだけだと言うのでは、

正義の為に戦っているとは言い難いから、気がめいる。

 明日の仕事の為に、今日は体調を整えておく必要がある。

今夜は酒も控えなくてはならない。

明日の悲劇を知っている身としては、

せめて酒でも飲んで酔わなければ、

心が押し潰されてしまいそうだ。

 
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