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「さまようコンビニⅡ」-2

 ゴミ箱の中に肩まで突っ込んで弁当を選んでいると、

後ろで咳払いが聞こえる。

恐る恐る振り向くとコンビニの店員が迷惑そうに俺をにらみつけた。

「家畜飼料用にリサイクルする資源ですから、勝手に持ってかないで下さい」

ととてもさげすんだ声で注意される。

 ものすごく腹が立った。

会社を首になって半年、

仕事を探したがコンビニのバイトですら中年男で経験なしでは雇ってもらえなかった。

半年前までは一流企業の正社員として働いていたから、

コンビニのアルバイトの店員を見下していたかもしれないが、

あからさまに馬鹿にするような事はしなかったつもりだ。

気持ち的に自分より下に見ていた相手からさげすまれ馬鹿にされるというのは本当につらかった。

 なけなしの金を使って、お客になってやる。

そんな気持ちになってしまったとしても仕方のないことだろう。

数日間着たままの汗臭さ満載の服のまま店内に入り商品を時間をかけて見てまわり、

アンパンをひとつ手にとってレジに向う。

そんな事をすれば店員はものすごく嫌がるだろう。

しかし、どんな服装をしていてもお客はお客だ。

むげに追い出す事も文句を言う事も出来ないだろう。

 ゴミ箱から一旦離れて様子を伺う。

店員が店内に戻り、レジの中に落ち着くのを待って店の入り口へと向った。

入り口は自動ドアで、その前に立てば私のような者でも関係なく扉を開いてくれる。
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