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「さまようコンビニⅡ」-4

 今日は土曜日だった、

会社は基本的に休みだから建物の中に殆ど人はいないはずだ。

それでも苦情処理係や緊急対応窓口の人間は必ず一人は出社しているし、

それ以外にも休日出勤で働いている人間は少なからずいるはずだ。

わずかな人間が出社する為でも会社の出入り口は開いている。

ふと後ろを振り向くと自分がついさっきまで居たはずのコンビニは姿を消していた。

 私は、なぜこんな場所に自分が居るのかも良く分からずに、

会社の入り口へと近付いていった。

近付いて、そのまま中に入っても誰もとがめる人はいなさそうなのを確認して、

昔勤務していたフロアーへと入り込んでみた。

 パーティションで仕切られた一角は、

私が勤務していた頃と殆ど変わりない様子だった。

照明は消されていたが、

周りの部屋の明かりで薄暗いながらも見て回るのには十分な明るさがある。

そっと足音を忍ばせて入り込んだ部屋には、

昔使っていた机がそのままに近い様子で残っている。

 私の席に今は誰が座っているのだろう。

興味がわいてきて机の上や引き出しの中を覗き見する。

一番上の引き出しに名刺の束が入っていた。

机を使っている人物の名刺。

その名刺にはまったく知らない人物の名前が書かれていた。

何か少しがっかりした。

 元上司の使っていた机をも探ってみる。

上司は今も健在のようだ、

机の上には上司の個人的な所有物も並んでいる。

引き出しに手をかけたとき人の話し声が聞こえてきた。

聞き覚えのある声だった。
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