fc2ブログ

「さまようコンビニⅡ」-5

 パーティションで仕切られた隣の部屋からの声に興味を引かれ、

静かにパーティションの側へと近付いた。

「部長、お願いしますよ」確かに聞き覚えのある声だ、

俺を罠にはめて自分達の失敗を俺のせいにしたやつらの一人。

元同僚の立嶋係長だ。

おかげで俺は今こんな事になってしまっている。

 復讐したいという思いがどんどん募ってくる。

立嶋は今どんな立場になっているのだろう。

やつの机を探すと、以前使っていた場所は別の人間が使っている様子。

机の並びの端にある課長席にヤツの物と思われる荷物が置かれている。

引き出しの中身や書類入れの書類を調べると、

どうやらヤツは課長に昇格している。

 俺に失敗を押し付けた男が、

俺は職を失ってホームレスだというのに、

課長に昇格している。

到底許せるものではない、復讐せずに立ち去るなんて考えられない。

 復讐の方法を考える。

考えるがとっくに冷静さを失っていたから、

私は部長席に行き、机の上のペン立てから、

ペーパーナイフ代わりに使っている果物ナイフを手に取った。

単純に立嶋を刺し殺す事しか考えていなかった。

 そっと部屋を出て、立嶋の居る部屋へと向う。

立嶋はずっと部長と電話している様子だ、

部屋に侵入した私に気付かずに電話での会話に夢中になっている。

そーっと後ろに近付いて、電話を切るのを待つ。

「それじゃあ待ってますから、早く来てください。お願いします」

手にしていた受話器を本体に戻し電話を切ったところで、

立嶋の首にナイフを突き立てた。
フリーエリア
カレンダー
11 | 2010/12 | 01
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
リンク
最新記事
カテゴリ
最新コメント
検索フォーム
QRコード
QRコード