fc2ブログ

「さまようコンビニⅡ」-7

     ★

 今俺にぶつかったのは山崎孝信だった。

我が社を半年前に首になった男だ。

いったい彼はこんなところで何をしていたのだろう。

いやな予感がした。

彼は俺の元部下だった。

俺の判断ミスで損害を出したとき、

山崎の同僚で当時はまだ係長だった立嶋課長が助け舟を出してくれた。

俺の失敗の責任を山崎係長に全て押し付ける計略を考え出した立嶋は、

引き換えに課長昇格の推薦を要求した。

俺は推薦するくらいお安い事だと言い計略を実行した。

結果として山崎は我が社を首になり、

俺の推薦を受けた立嶋は課長に昇格した。

 山崎が出てきた部屋には俺を呼び出した立嶋が居るはずだ。

ゆっくりとドアを開けると部屋の中に一歩踏み込んだ。

少し生臭い空気が漂っている。

そして、床に倒れている血まみれの男。

立嶋課長に間違いない。

俺は近くの電話の受話器をつかむと

手の震えを押さえながら何とか110番をプッシュした。

 声を震わせながら「殺人事件です。人が殺されています」

と言うと受話器の向こうの声は冷静な口調で

「場所はどこですか、住所は分かりますか」と尋ねた。

俺は冷静な人の声を聞いて少し落ち着きを取り戻して、

会社の住所と名前、自分の名前を告げた。

 相手の質問に答える形で部屋の中の状況などを説明しながら

待つ事十分程度だったと思う。

到着した警察官からその後も質問攻めに遭い、

くたくたになったところで警察署へと連行される事になった。
フリーエリア
カレンダー
11 | 2010/12 | 01
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
リンク
最新記事
カテゴリ
最新コメント
検索フォーム
QRコード
QRコード