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「ゲームのマ王Ⅲ」―6

 辺りを見回すが、音の出るものは特に無い。

携帯電話は持っていても、外出するとき以外はいつも電源を切っている。

両親以外から電話やメールが届く事が無いからだ。

それにメールはパソコンで受けるから、携帯の電源を入れておく必要が無い。

 一応確認するが携帯の画面は黒いままだ。

どこからの音だろうと不思議に思いながら、

もう一度パソコンのモニターに目をやると、画面は真っ白だった。

そして、「あなたの夢をかなえましょう」と言う声が聞こえた。

 どこから聞こえるのか、ただの空耳なのか、

幽霊の類には返事をしてはいけないと聞いた気がする。

ならば無視するべきだろう。

でも、もしかしたら散歩の疲れで起きたまま夢でも見はじめだのだろうか。

今自分は確かに起きていると思うのだけど、

眠っている事も分からなくなってしまったのか。

「あなたの夢は何ですか、あなたの夢をかなえましょう」

「だれ」

 つい返事をしてしまった。

「あなたの夢は何ですか」

 今度は自分の直ぐ後ろで声が聞こえて、

急いで振り向くとかわいらしい少年が立っていた。

少年は、にっこりと微笑むと、私の手を取り引っ張った。

「さあ、こちらに。行きましょう」

 私は少年から手を引っ込める。

「何なの君は、どこから入ってきたの」と問いただす。

しかし、少年は首をかしげて微笑むだけで、

私の言っている意味が分からない様子だ。

「だから、ここは私の家で、私の部屋の」そこまでだった、

そこまで言ってやっと気付いた、

ここが自分の部屋ではないという事に。
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