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「ゲームのマ王Ⅲ」―14

 今日現れたのは巨大な集積回路の世界。

コンピューターの部品である集積回路は小さい中に

沢山の電子回路を集めているからこそ価値がある。

なのにこの集積回路は巨大だ。

 巨大な集積回路の中を光の玉が高速で行き来している。

電子の信号なのだろう。

ふと、右方に目をやると私たちめがけて光の玉が突進してくる。

私は慌てて避けようとして少年の手を振り払った。

 気が付くと昨日と同じ様にパソコンの画面を眺めていた。

時刻はすでに夜中だった。

それから、毎日同じ様な日々が続いた。

朝起きて朝食を済ませてシャワーを浴びて、

昼過ぎまでぼんやりと過ごし、

昼食後にパソコンでゲームの世界に入り込む。

 何かの夢の中に入ったと思うと、邪魔者が現れて元の世界に戻される。

それ程長い時間ではないはずなのに、昼過ぎから始めても夜中になっていた。

 一月以上そんな日々が続いただろうか、

ある朝母親が食事中の私を見て言った。

「たつや、なんだか最近大きくなったんじゃないかい。

何か腕も太くなったみたいだし、何か体を鍛えてるのかい」

 そう言われてなるほどと思う。

最近身体を動かすのが楽になった気がする。

「別に、何もしてないよ」とそっけなく答えるが、

自分も大人になったのだろうと何となく思った。

大人になってこれぐらい筋肉がついてくれば、

普通に働く事も出来るかもしれない。

そんな風に思った。

捨ててしまった夢を少し取り戻したいと思い始めた。

 本当に体力がついているのか試したくて、

今日は出かける事にした。
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