fc2ブログ

「幸運Ⅱ」-9

 今井が客の悩みを聞き、セラピストとして上手いアドバイスを行う。

俺がどんな不眠症の客でも瞬時に眠らせて、

今井のアドバイスに真実味を持たせる。

人間なんと言っても信じる事が大きな力になるようで、

どんな不眠症の患者でも俺達の手に掛かれば症状が解消した。

 客の評判もよいから口コミでどんどんお客も増えたのだが、

残念なのは今井の知識は弟子に伝える事が出来ても、

俺の催眠能力は誰にも伝授出来ないという事だ。

だから、手伝いをする人間を雇う事は出来ても、

実際に治療を行えるのは今井と俺のペアだけで、

結局多角経営とか多店舗経営いうわけには行かなかった。

 成功しても大成功はしない。

まさに今井の運の良さのレベルにぴったりの状態だった。

大成功ではないけれど、成功しているからそれなりに高収入で、

生活レベルは以前よりかなり良いものになった。

 儲かっているけれど、その分忙しい日々で、

自分が所属している秘密組織の事などもすっかり忘れて楽しく暮らしていた。

そんなある日の事だ、組織の上司からメールが届いた。

 メールは特別な暗号など使わない。

しかし、俺以外の人間が読んでも意味が分からないだろう。

俺の役目を知っていなくては、

何をするのかは書かれていないのだから分かるはずが無い。

『××県○○市○○町七―六―五。○月×日十三時0分。1000』

とだけ書かれたメール。

○や×にはちゃんと文字が書かれているが、

別のメールで送られてくる文字に入れ替えて始めて意味を成す。
フリーエリア
カレンダー
12 | 2011/01 | 02
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
リンク
最新記事
カテゴリ
最新コメント
検索フォーム
QRコード
QRコード