fc2ブログ

「痛みのない世界」-2

 元々現代科学も、自然界のいろいろな現象を観察する事から始まっている。

観察した結果に仮説の理論を当てはめて作り上げてきたものだから、

新しい機械で起こる現象も、

いずれはきちんとした大多数の学者が納得する仮説が生まれるだろう。

しかし、理屈がどうあれ利用する事が出来るのだから、

企業としては利用方法を考えない訳にいかない。

 介護ロボットの研究の場で作り出されたものだから、

やはり病気で介護が必要な人に対して使うことを考えた。

病気で入院している人は、病気が原因のいろいろな苦しみがある。

痛みに対しては痛み止めなどの薬を使用するが、

薬である以上は副作用もあり、副作用のために別の苦しみを味わう場合もあるだろう。

 開発された機械を使えば、自我を身体から引き離す事が出来るから、

身体が感じる痛みなどの苦しみを自我が感じなくすることが出来る。

 機械には何か名前をつけなくてはと言う事で、

『思考離脱装置』と言う名称にしたのだが、

みんな勝手に愛称で呼ぶようになった。

その名は『幽体離脱装置』で、良い名前だなどと言えないもので、

しかも正式名称と文字数も変わらないのだが、

みんな幽体離脱装置の方がわかりやすいと言ってそちらの名前を面白がって使う。

でも、患者さんやその家族に幽体離脱装置などと言えば、

気味悪がられるから患者さんへの説明では正式名称を使用する。

 実際問題として、使用した患者さんの感想は、

幽体離脱したみたいと言うものだった。

果たして患者さんには幽体離脱の経験があったのだろうかと疑問に思うが、

たぶん一般に言われる幽体離脱のイメージでその様に思うのだろう。
フリーエリア
カレンダー
01 | 2011/02 | 03
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 - - - - -
リンク
最新記事
カテゴリ
最新コメント
検索フォーム
QRコード
QRコード