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「永田町」-20

 テレビのニュースキャスターは無感情に政府の臨時対策本部の声明を読み上げた。

 おかしいと思った。

声明の中でもその後の質疑の中でも、近隣住民への避難要請がまったく無かったのだ。

 自分の住む街の静けさ、魔王を映すテレビ画面の異常さ、

そのギャップに真実は現場を見なければ分からないという気持ちを大きくした。

 魔王にあまり近い場所からは危険だ、自宅近くの高層ビルで展望室が有るとか、

屋上に上がる事ができる場所は無かったかと思い浮かべてみる。

 友人の中に一人金持ちの息子で、高層マンションに住んでいるヤツがいる。

ヤツのマンションからならば永田町の様子が伺えるかもしれない。

 友人に電話を掛けてみる。

「もしもし、俺、山田だけど、今日これから鈴木の家に行っても良いか」

「ああ、山田か、良いよ、大学は休校みたいだし、家で暇してるから」

「鈴木の家からさ、永田町の方って見えるかな」

「え、永田町か、どっちの方角か良く分からないけど、

上の展望室に行けば見えるんじゃないかな」

「お前、昨日からの魔王降臨とか興味ないのか、やけにのんびりしてるみたいだけど」

「えー、いや、大学が休校になったから、のんびりはするだろう。

それに魔王とかあんま興味ないし。

テレビゲームではパズル系が好きだから、あんまロープレとかやんないから」

「まあ良いや、これから行くから待っててよ、じゃあ」

「ああ、待ってる」

 電話を切ると直ぐに出かける準備をしてアパートを後にした。

一応昨日取りまとめた貴重品を詰め込んだカバンは持って行く。

 鈴木の住むマンションに到着すると、鈴木をせかせて展望室へと向った。
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