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「永田町」-22

 特撮映画の中の攻撃のように、戦車は火花を散らすのだろうか、

ミサイルは着弾すると派手に火花と煙を上げるのだろうか。

少し想像しただけでもわくわくしてくる。

 普通なら攻撃の対象も人間だから、

攻撃を受ければ沢山の人が死んだり怪我をする事なのだから、

こんなにわくわくとした気持ちになどなれないと思う。

しかし、これから攻撃する相手は人では無く魔王なのだ。

特撮映画で悪者の怪獣を攻撃するようなものだから、

わくわく感を持っても悪い事ではないだろう。

「鈴木さあ、今日自衛隊が魔王に向って攻撃するって話聞いてるだろ」

と横に立って窓の外の景色をぼんやり眺める鈴木に問い掛けた。

「へえ、そうなんだ。ああ、だからあんなのが都内を走り回ってるのか」

 鈴木は、一応自衛隊の車列を珍しそうに見ているが、

殆んど興味ないような表情をしている。

「お前、ちょっとはテレビとか見ろよ。特にこんな大事件の真っ最中なんだから」

「大事件なのか、そうだよな、大学の校舎も燃えちまったみたいだしな、

でもテレビなんてくだらない事ばかりだろ。

もし本当に大変な事があれば、うちの母親から何か言ってくるからさ、

俺がいちいちくだらないテレビなんか見て無くても大丈夫さ」

 一応大事件だとは認めたのだろうか、それでも興味なさげな鈴木は、

窓の手前の手すりに手をついて、遠くの方を眺める目をしている。

「まあ、テレビがくだらないのは認めるけどさ、

最新情報はチェックしておいた方がいいだろう。

特に魔王が降臨している最中なんだから」

 僕も鈴木の横で手すりに手をついて、

鈴木が何を眺めているのだろうかと遠くの景色を眺めると東京タワーが見えた。

「まあ、お前がそう言うなら、そうなのかもしれないな。

それでこれからどうするんだい」と僕の方に顔を向けて尋ねる。
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