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ちょっと物語4-後半

「タイムトンネル」-後半

ボールはトンネルの入り口で壁にぶつかった様に、跳ね返された。

「Y主任、何ですかいきなり」

「Tさん、まずこれが第一の問題で、外から投げ込んだ場合、トンネルの中に入ったとたんに、

時間が遅くなるから、トンネルに入ったとたんにボールの前面部分だけ時間が遅くなる。

ボールの残りの部分は元のままの時間で進むので、時間差ができてそれが、

速度差になってボールが壁にぶつかったように反発して弾き飛ばされる」

「はぁ、なるほど、それで」

「極ゆっくりとならばトンネル内に入れることが出来るが、ゆっくりでは意味が無い。

そこで、動力付きの自力で動くものを入れてみるのですが、動けば動くほど、

動力の時間も遅くなり、外でどんなに早く動く機械を入れても、トンネル内では

一定の速度以上に早くは動かない」

「と言うと、結局どうなるわけですか」

「このままでは、何の役にも立たないという事です」

「役に立たないものを作ってしまったと言う事ですか」

「いや、このままではと言う事で、だから問題があると言ってるじゃないですか」

「なるほど、大問題ですね。改善の余地はあるのですか、それと完成したとして

何に役立つのですか」

「対策は検討中だからまだ何とも言えない。そして、完成すれば時間を止めて物を

保管できるから、例えば時間が止まった中にいれば、百年後の未来にそのままの姿で

出てくることが可能で、それは未来行きのタイムトンネルにはなるはずだ。

だから、現代医学では直せない病気の人が入り、百年後治療法が見つかったら

出て来て治療を受ける事が可能になる。」

「なるほどそれは面白そうですね、ところで質問なんですが、

中に入れたものの時間が遅くなっているとなぜ分かるのですか、

時間ではなく運動速度が遅くなっているだけじゃないんですか」

「どちらでも同じ事だよ。時間が遅くなるというのは、

その物体の動きが遅くなるって事だから」

「ということは、このタイムトンネルは、物体の動きを遅くする装置で、

早く動けば動くほど、動きを遅くする装置なんですね、

なんか矛盾してませんか」

「確かに」


2人はため息を付いてタイムトンネルの前を離れた。

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