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ちょっと物語-8-後半

「夢うつつ」-後半

いつものように、ベッドから足の方だけ外に出し、出した足を下に下げる勢いで、

上半身を起き上がらせる。

ベッドの上に座って、頭に血が通うのを待って立ち上がり、部屋の出入り口へ向かう。

ドアを開けて外に出て、そこに長い廊下を発見し、着替えなければと思い返す。

一旦部屋の中に戻り、普段着に着替えてから、もう一度外に出た。

外の長い廊下を左に進み、すぐに突き当たりを、右に曲がり、少し進んでまた右へ曲がると、

長い廊下に出た。

左側に窓が並び、右側はクリーム系の白い壁だった。

窓の外は狭い庭をコンクリートの塀が囲いその外は、眺めの良い町並みで、

街路樹の緑がきれいだった。

廊下を進んだ先にちょっとしたホールがあり、下へ下りる階段があった。

階下に降りると、そこは玄関ホールになっていて、右手には大きなドアがあり、

左手の方にさらに廊下が続き、その先に渡り廊下が見える。

木製の渡り廊下の左右は、日本庭園で、池も小山もある。

渡り廊下の先には、書院造の和室が広がっていて、先に進むと、台所が見えてきた。

そうだ、芋が煮えているのではないかと思い、鍋の蓋を取ってみると、

程よい大きさに切って煮込まれた、ジャガイモというか、肉じゃがが入っていた。

入っているのは当然だ、昨日の夜煮込んでおいたのだから。

ジャガイモを1つつまみ食いし、台所から出て、一番奥の寝室に使っている和室に入り、

心地よさそうなベッドが置かれているのを見て、急に眠くなってしまった。

ベッドに横になると自然とまぶたを閉じ、眠ってしまった。

病室のベッドに横になったN氏の傍らに、N氏の母が付き添っていた。

「おまえ、何時になったら目覚めるの、幸せそうな顔で眠っているように見えるけど、

意識不明でも夢は見るのかしら」と母は言った。

N氏は、いつの間にか病室の天井に浮かんでいた。

天井から病室を眺めながら死んだはずの母がいる事に違和感を覚えた。

そうかこれは夢だな、夢ならば何でも出来るはずだ、ベッドに横になったもう一人の自分を

起き上がらせようと考えたら、目が覚めてしまった。

住んでいるこの大きな屋敷が、本当に自分のものならば、この世界の方が夢で、

母が生きている世界が現実だと思える。

しかし、大きな屋敷の管理人として住み込んでいるだけならば、

この世界の方にこそ現実味がある。

今はまだ眠っているのだろうか。

しかし、あのでっかいジャガイモは何だったんだろう、あのジャガイモだけは

夢で間違いないと思う。

自信はない、現実があるのかどうかも。

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こんばんは!
いつも、来ていただき、今、気がつきましたら、リンクまで貼っていただき大変光栄です。私も、貼らせて頂きました。
小説を書いていらっしゃるのですね。一番難しいカテゴリーです。
応援いたします。!
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