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ちょっと物語―11―前半

「実は・・・」―前半

Y氏は入社二十数年の中年サラリーマン、2歳年下の妻と16歳の息子の3人家族だ。

会社では肩書きだけは部長となっているが、正社員の部下は一人だけだ。

アラフィフ男のY氏は、団塊世代の沢山の上司からいまだに若造あつかいされ、

そのくせ若い世代からは、おっさんあつかいから徐々に年寄りあつかいされ始め、

居心地の悪い中で働いていた。

会社には定年制度はあるが、対象は部長以下の社員だけで、

Y氏の上司である役員待遇以上の者は対象外のため、

60過ぎの机に向って座っているだけで良いくせに、余計な仕事をしたがる人達が

人件費の大部分をかっさらっていた。

普通なら、部下の尻拭いで客先に頭を下げて回るのだろうが、Y氏の場合は、

上司の失敗で頭を下げて回らなくてはならないから大変で、しかも

上司の責任だと客先に思われると会社自体が駄目だと思われてまずい事になるから、

部下が失敗した事にしなくてはならず、結果として部下から嫌われる上司になっていた。

そして、失敗をした張本人の上司は、いつの間にか自分の失敗は忘れて、

Y氏の部下が失敗したと思い込み、Y氏の監督不行き届きを責め立てるのだった。

部下からは責任を下に押し付けるいやな上司と嫌われて、上司からは部下の指導も

満足に出来ない駄目部長とさげすまれ、それでも自分がこの会社を支えていると言う

自負が有ったから、何とかやってこれたのだった。

しかし、今年の春の人事異動で、畑違いの部署に移動になり部下の数は増えたものの、

年上の上司に丁寧に仕事を教えてくれる親切でやさしい部下などいないから、

一向に仕事を覚えられなかった。

部署内で一番仕事の内容を理解していないY氏の指示など誰も聞かず、

Y氏はまともに仕事が出来ないまま部下から邪魔者扱いされる日々が続いた。

それでも、もといた部署の状況が悪化していればそれなりに自分の価値を

見出せただろうけれど、もとの部署が以前より良い状況になっているのを知ると、

Y氏は当然のようにうつ病となってしまった。

Y氏がもっと冷静に状況判断できていれば、自分の価値を見失うまでにはならなかっただろう、

元の部署のガン的存在の上司が、体調不良で長期療養中だっただけなのだ。

うつ病になってしまったY氏は、妻に悩みを話すが、妻は息子が大学を卒業するまでは

がんばってと励ました。妻に励まされて、妻からは頼りにされていると思いがんばった。

そんなある日、とうとう自分の部下からいじめに遭う様になってしまう。

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