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「涼しくなる・・・かな」

Aさんは、何者かにさらわれてきたのだと思った。

夜、眠りについてから気付くと、ここに居た。

まったく一度も来た事が無い場所だった。

眠っている間に、誰かにさらわれて運ばれてきたのだろうと思った。

しかし、自分などさらっても意味が無いし、第一今まったく拘束されていないし、

閉じ込められてもいない。

ただ、さらわれていないにしても、誰かに運ばれてきた事に間違いないはずだ。

自分でここまで来た記憶が無いのだから。

もしかして、夢遊病。

服装は、夜眠りについたときと同じ姿のパジャマのままだ。

それにしてもここは何処だろう。

見渡す限り何もない。

もっともまだ夜だから、たいして広い範囲が見渡せているわけではない。

幸い満月に近い月が、明るかったから、少し周辺の様子が分かる程度だ。

しかし、家の近所にこんな場所はあっただろうか。

荒川河川敷、どこかの学校のグラウンド、

蛇行した中川のリバーサイドのスポーツセンター、

いずれにしても変だ。

家の近所であれば、都会の真ん中だから、

どれだけ広い場所につれてこられていても、

遠くに必ず人工の灯りが見えるばすだ。

心なしか月がでかくなったような気がする。

暫らくして、目が慣れてきたのか、本当に月がでかくなってその分明るくなったのか、

辺りの様子が分かり始めた。

見える範囲には木も草も無い。

建物も一切見当らないし、ただ瓦礫のようなものの塊がところどころに見えるだけだ。

Aさんは、じっとしているのが怖くなってきた。

少し歩き回ってみる。

星がやけに明るい事にふと気付いた。

そういえば、呼吸というものをしていない。

Aさんはやっと気付いた、自分が死んでいる事に。

これが幽霊というものなのか。

いや、待てよ、幽霊ならば現世に現れるもの、ここは現世だろうか。

この荒廃した感じは、地獄だろうか、それとも河が見えないだけで、

賽の河原というやつだろうか。


もし幽霊ならば、空が飛べるかもしれないと、ふと思い付く。

Aさんは宙に浮かぼうと意識した。

すると、体がスーッと浮き上がり、どんどん上昇していく。


気が付くと宇宙の真ん中に浮いていた。

自分が今までいた場所は、茶色い巨大な星だった。

地球ならば青く見えるはず、空気は青いから。

この茶色い星は何だろう、空気も水も無い星。

考えているうちに意識がだんだん薄れていく。

だんだんと消えて行く。

消えて行く。


-END-


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ちわ[i:63893]

ただ今病院
腰の方は大丈夫ですか?
大事にしてくださいね><幽体離脱の経験はない!
このお話…幽体離脱だおね。間違ってたらすみません
あ…呼ばれた。
じゃまたです
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