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「全身に白い衣装をまとった者たちのゲーム」-3/3

F氏は自分を無視して話が進んでいるのにどうでも良いと思っていた。

むしろNに勝たせて社長になってもらい、自分は引退したいと思った。

しかし、秘書はF氏の期待に反して、以前と同じカードでの勝負を提案した。

同じやり方であれば、勝ちたいと思っているNの方が負ける。

秘書は私を勝たそうとしていると思った。

「Nさん、これからテーブルの上に2枚のカードを伏せて並べます。

カードを1枚選んで引き数字の大きいカードを引き当てれば勝ちです良いですか」

いつの間にか秘書はカードを用意して、

いつの間にかカードを2枚テーブルの上に並べた。

Nはカードをにらみつけ、考えた。

秘書は美人だけれど、謎めいているが悪人には見えない。

伏せられたカードにもトリックがあるようにも見えない。

「さあ、好きな方を引いて下さい」

秘書にそう言われてNは決心し、一方のカードを引いた。

「開いて見せて下さい」そう言って秘書はテーブルの上のカードを開いて見せた。

テーブルの上に残っていたカードは「ハートの2だった」

Nは勝利を確信して自分が引いたカードを、表にしてテーブルの上に置いた。

カードは「スペードの8だった」

Nの勝利だった。

「Nさん、明日からあなたが社長です。

株主のF氏と、社員と、顧客の為に頑張ってください」そう言うと秘書は、

Nを出口に案内し一緒に出て行った。

F氏は社長の重責から解放されて安堵した。

Nは小悪党だから多少の悪知恵は働いたので、

秘書の助言もあって何とか会社を建て直し利益を出すようになった。

もちろん人事部長は解雇できたので、Nもとても満足していた。


全身に白い衣装をまとい、背中に羽を生やした人間に似たかたちの者たちが、

退屈そうにぼんやりと地上を眺めていた。

新米がベテランに質問した、

「欲深いものは忙しく働き、欲の少ない我々はのんびりとそれを眺めている。

では、神はどうなのでしょう」

ベテランは答えた、

「欲と言うものを持たない神は、全てに無関心なのでしょう、姿も現しません。

だから、誰も見た事がありません」

-END-

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