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「つかいすて」-1/3 

そのカードは、カード会社や銀行のコンピュータープログラムの

ちょっとした隙により生み出された。

生み出されたと言っても、カードという物体は元々あったもので、

Nさんが所有しているものだ。

生み出されたのは、カードの情報プログラム。

カードを使用すれば、使用履歴が残り、Nさんの預金口座から指定日に

引き落とされるのが元々の情報プログラムだった。

しかし、このカードに生まれた情報プログラムは、使用履歴は残る事無く、

使用した相手先にはカード会社から使った金額が指定銀行口座への振り込まれ、

Nさんの口座からは一切引き落とされる事無く、

しかし、カード会社には架空の口座から払い込まれる。

要するに、Nさんが支払う代わりに、カードが架空の情報を生み出して、

カード会社に支払ってくれて、しかもNさんが使用した履歴が一切残らないから、

使い放題使っても使用限度に達しないという、とても便利なものだった。

使用していることを知っているNさん以外はこの事を知るよしも無いのだが、

普通こんなカードを手にしたからといって、使い倒す事が出来るほどの根性というか、

勇気はもてないものだろう。

Nさんも最初の1年は恐る恐る使うだけで、むしろ

今までよりカードでの買い物は減らしていた。

しかし、1年を過ぎても何ら問題が無く使い続けられて、徐々に大胆になり始めた。

特に、カードの有効期限が近づき、新しいカードが送られてきて、

その新しいカードでも問題なく使い放題になっていた事で、

もし発覚してもほとんどカード会社自体のミスであり責任で、

自分の責任ではないと思い始めた。

もちろん、もし何も申告したりする事無く使っていたのなら、

横領罪にも問われる事になるのだが、Nさんはカードがおかしくなって直ぐに

カード会社に申告しており、カード会社から問題ないという回答を得ているから、

犯罪に問われる可能性は低いかもしれない。

そんなこんなで2年を過ぎた頃には、Nさんは使いたいだけ使うようになっていた。

Nさんがカードを使った記録は、カードの力=情報プログラムにより、

全て消滅させられていたから、いくら使っても問題ないし、

現実に誰も損をしていないし、迷惑にもなっていな様だった。

それは、カードの魔法により只で物が買えているようなものだった。

ただ、カードの限度額というものは一応適用されるから、

一回の支払額として50万円という上限があった。

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