fc2ブログ

「ばけてでてやる」-3/4

男が家にやって来ると、その家の子供達は、

再び男の持っている亡霊映写装置に興味を示し、

男に貸してくれとせがんだ。

男は、夜は止めておいた方が良い、明日の朝貸してあげるからと言って、

その夜は子供に装置を貸そうとしなかった。

その家の子供達は、一旦あきらめたものの、

ダメだと言われれば余計に夜の間に使ってみたくなるもので、

男が荷物から目を離すのを待ってこっそり遊ぼうと計画した。

男は、食事の後風呂を勧められ、荷物を置いて風呂場に向った。

男が風呂に入ったのを確認すると、子供達は男の荷物をあさりはじめた。

そして、亡霊の映写装置以外に面白そうな機械を見つけ出して、

その機械で遊び始めた。

機械は手のひらにのる程度の大きさで、たくさんのボタンが規則正しく並び、

綺麗なガラス面にいろいろな映像や文字が映し出されいて、

子供達は夢中になってボタンを押しまくり、

ガラス面に映し出されるものの変化を楽しんだ。

子供達は夢中になったけれども、亡霊の映写機も忘れなかった。

手のひらにのる機械はそのままいじくりながら、

亡霊を映す装置も取り出して遊び始めた。

明るい昼間だからこそ、子供達もまだ冷静に見ていられるのだが、

薄暗い夜の明かりの中で見れば、

映し出される亡霊の恐ろしさは数倍にもなってしまう。

今までの男の経験では、

怖がって夜一人で眠れなくなる子供が多かったから、

夜間に装置を使う事は薦めなかったのだ。

ところが子供達は、意外に冷静に遊び続け、

男が浴室から出てきたことにも気付かなかった。

男は、子供達が意外と冷静に遊んでいたので、

とりあえず問題ないと思い、映写装置はそのままにしたが、

携帯電話をいじくられるのは困るので、直ぐに取り上げた。

子供達は、もっと怒られると思ったので、

携帯電話を取り上げられただけですんで逆にホッとしていた。

男は、携帯電話すら珍しがって遊んでいた子供達に、

やはり田舎では珍しいのだろうと思い、

そういえばこの村で携帯電話を使っている人は見かけなかった、

やはり田舎ではそんなもんなのだろうと考えた。

そして、記念にと携帯で子供達の写真を撮った。

翌朝、男は朝食を済ませると次の町に向って、早々に旅立った。



コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

フリーエリア
カレンダー
01 | 2024/02 | 03
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 - -
リンク
最新記事
カテゴリ
最新コメント
検索フォーム
QRコード
QRコード