fc2ブログ

「無敵なヤツ」-2/4

何と言うことのない集落に現われたヤツは、最初に目があった者に尋ねた。

「この集落の代表者に会いたい」とヤツが言うと、

その者はヤツに銃を突きつけて「会わせてやるからこっちに来い」と言い、

ヤツを彼らの長のところに案内した。

彼らの長は、ヤツに「どこから来たのか、何しに来たのか」と尋ねるが、

ヤツはそれを無視して「お前がここの代表者か、全員に武器を捨てさせろ」と言った。

ヤツを案内してきた者が、ヤツを銃の先で小突こうとするが、当たらない。

ヤツはその者の行いを無視して、彼らの長に近づいてもう一度同じ事を言う。

長もまた同じ質問を繰り返すが、ヤツはそれを無視して、長の目の前まで迫る。

彼らの長は、周りのものに命じて、ヤツを自分から遠ざけようとした。

だが、誰一人としてヤツを捕まえる事が出来ず、長の前から動かす事が出来ない。

後ずさる長、長の目の前に迫るヤツ。

暫く攻防が続いたが、ついに長が切れて、やつに向かい拳銃を発射した。

もちろん、銃のすさまじい破裂音が鳴り響くだけで、ヤツは何事も無かったように、

彼らの長に迫り、もう一度「武器を捨てなさい」と静かに言った。

長は、2発3発とヤツに向って発砲し、さらに周りの者達にもヤツを撃てと命じた。

数名の者達が、長に当たらない様にと気を使いながら、ヤツに向けて銃を連射した。

しかし、ヤツはまったく動じる事も無く、長に向って立っていた。

騒ぎを聞きつけて集落の者達が大勢集まってくる。

興奮した者達は何をするか分からない、ヤツは無敵だから大丈夫でも、

めったやたらと銃を乱射する者がいれば、流れ弾に当たる者が出て来るかもしれない。

ヤツは、一旦この場を退く事にした。

ゆっくりと彼らの長から後ずさりし、離れながらしかしもう一度はっきりと言った。

「武器を捨てなさい」

ヤツはその足で別の集落に向った。

別の集落でも同じような反応だった。

ヤツはもっと大きな街に向った。

街には軍隊として組織された者たちがいた。

ヤツは軍隊が守る広場の真中に現われて、一人の軍人に向かって言った。

「あなた達の代表者のところに案内してください」

軍人は、ヤツに銃口を向けて、「こっちに来い」と指図する。

ヤツは、軍人の後に付きしだがって、建物の中に入る。

建物の中は、軍の警察施設だった。

取調室に通されて、

薄汚れた机に向かい合わせに置かれた椅子の片方に座るように指示される。

ヤツは、逆らう事をせずおとなしく従い、椅子に腰掛ける。



コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

フリーエリア
カレンダー
03 | 2024/04 | 05
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 - - - -
リンク
最新記事
カテゴリ
最新コメント
検索フォーム
QRコード
QRコード