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「殺し屋」‐1 

エレベーターで屋上に上がる。

相手は、すでに屋上で待機している。

相手に銃口を向ける。

相手は私の銃を見てゆっくりと手を上げる。

俺は容赦なく引き金を引く。

乾いたパーンという音と共に、

相手の胸元から血飛沫が上がり倒れ伏す。

あらかじめ用意しておいたスーツケースに、相手を詰め込み、

エレベーターで下りて、駐車場に向かい、スーツケースを車に詰め込んで走り出す。




向かいのマンションの一室で、客が満足そうに微笑む。

「ヤツの死体はトランクに入れたまま、錘をつけて海に沈めます。

それでよいですね」

スーツ姿のいかにもビジネスマン風の男が、顧客の女性に伺いを立てる。

「ええ、構いません。でも自分の手で殺したい相手だったのに、残念だわ」

女性は少し微笑みながらも文句を言う。

「申し訳ありません、ですがあなたがあの場に居ては、相手に警戒されてしまいます。

この向かい側から、相手が撃たれるところを、お見せするのが精一杯でした。

あなたと私以外の目撃者がいても困りますから、場所の選定はかなり苦労しました」

「そうね、確かに、目撃者がいてはまずいでしょうし、

死体が見つからないように処分するというのも理解します。

ですが、死んでいるのを近くで確認できないのは、なんだか不安です」

「では、スーツケースを海に沈める所を見に行きますか」

「良いんですか、ぜひ見届けたいわ」

男は電話を手に取り話し始める。

「私だ、お客様がスーツケースを海に沈める所をご覧になる。

我々が行くまで下で待機していてくれ」




俺は、電話の指示に従い、走り出してすぐに車を路肩に止めて待機する。

暫くすると女性を連れた仲間が建物から出てきて、俺の車に近づいてくる。

俺の車は、5人乗りのワゴン車、助手席には助手の男が座っているが、

後部座席は空いている。

スーツケースは後ろの荷台に収まっているから、二人を乗せるスペースは十分にある。

俺と助手はマスクとサングラスで顔を隠す。

いつもはこんな変装をすればかえって怪しまれるから、

サングラスかマスクのいずれかしかしていない。

ただ、顧客には顔を見られるわけに行かないから仕方ない。

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