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「散歩の神様」-1 

タケシは朝の散歩を楽しんでいた。

いつも通勤途中に1駅手前の駅で下車して、元は用水路で現在は、

親水公園になっている遊歩道を散歩しながら会社に向う。

季節はもう秋だから、朝は少し肌寒いが、散歩にはちょうど良い気候だろう。

汗もかかず、寒くも無く。

親水公園だから、一応小川やため池が再現されていて、

公園だから沢山の草木も生えている。

場所毎に、テーマが決まっていて、桜だったり、バラだったり、

花菖蒲やアヤメ、雑木だったり雑草だったりが主になっている。

今は、バラの花が咲き始めていた。

春から初夏の頃のバラと違い花の数は少し寂しいが、

バラはやはり美しく咲いている。

通勤時間帯とは言え、タケシは満員電車を避けるために、

1時間以上早く会社に着くような時間に歩いているから、人通りはまだ少ない。

運動にもなる散歩だけれど、スポーツとして体を鍛える事が目的ではないから、

そんなに早くは歩かない。

かといって元気なくとぼとぼと歩いては、朝の散歩で気がめいってしまうから、

それなりに颯爽と歩く。

親水公園沿いには、いくつかの神社がある。

大きいものは、立派な鳥居と参道を備え、

立派な御社と大きな賽銭箱が備えられている。

小さなものは、数本の立ち木に囲まれているものの、

玩具の様な鳥居と、人の背丈ほども無い小さな社に、

筆箱程度の供え物の台が備え付けられている。

タケシは時々気が向くと、これらの神社に寄り道をして、観察する事があった。

神を信じていないから、特に御参りという行為はしないのだけど、

神社の歴史的なたたずまいが好きだった。

今朝も小さな社が目に留まり、ちょっと寄り道する事にした。

小さな社を観察するのにたいした時間は要しない、

直ぐにぐるり一周見て周り、ふと足元に落ちている手紙に気が付いた。

拾ってみると、近くの別の神社の神様宛に書かれたもので、

会社までの途中の住所になっていた。

タケシは、ついでたからと思い、拾った手紙を持って宛名の神社に向った。

その神社はそこそこの鳥居と参道があり、

ちょっとした広さの境内に古いけれど立派な御社が建っていた。

御社には賽銭箱の奥に、供物台が有ったので、

タケシは手紙をその供物台において、周囲を少しみて回った。

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久しぶりに

今までにたくさんの物語を読みましたが名前が出て来たのは初めてですね、妙な感じもしますが、少し雰囲気が違うので面白いですね。
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