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「散歩の神様」-2

御社の周りを見て回り再び、御社の正面に戻ってくると、

古めかしい神主のような格好をしたお年寄りが立っていて、話しかけてきた。

「手紙を届けてくれたのはお主か」

タケシは、あまり関わりあいたくはなかったが、

無視するのは人としてどうかと思い返事した。

「はい、そうですが」

「何か礼をしなければな。わしはこの神社に住まいする、神である、

何なりと願い事を言ってみるが良い」

タケシは、どうみても人間にしか見えない、

神と名のる者の言葉を信じたわけでは無いけれど、

もし精神障害がある人だったら、逆らうと危険かもしれないから、

話を合わせておくほうが良いと考えた。

「そうですね、では宝くじで高額当せんさせて下さい」

「宝くじか、難しいな。宝くじの当せんを願う人はとても多くてのう、

抽選になっておる。

元々宝くじは抽選で当たるものだから、

全員平等にその抽選で当選者が決まる事になっておる。

だが、当せんの可能性ぐらいならばやろう・・・・。

良いか、これから会社までの道すがら、下をよーく見て歩くが良い」

そう言うと、神と名乗った老人は、すーっと姿を消してしまった。

タケシは、人間だと思っていた老人が姿を消すのを見て、

神と信じざる終えなくなった。

驚きながらも、神の言った言葉を信じて、下を見ながら会社に向うと、

道端にむき出しで宝くじが1枚落ちているのを発見した。

拾ってみると宝くじは、誰かが落したばかりなのか、

汚れておらず抽選日を見ると数日後の日付だった。

宝くじは、1枚100円のくじで、一等当せん金は1000万円だった。

タケシはジャンボ宝くじを指定しておけば良かったと思いつつも、

手紙を拾って届けた事へのお礼なのだから、この程度で当然かとも思った。

それに、販売価格100円のものであれば、

拾ってそのまま自分のものにしていても、問題ないはずだと思った。

実際問題として、オータムジャンボ1等15000万円とかのくじを拾っていたら、

タケシの人生は変わっていただろう。

1等1000万円のくじだから、会社を辞めてしまおうなどと大胆な事は考えなかった。

だから、人生を狂わす事も無く無事だったと考えても良いだろう。



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