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「散歩の神様」-3

タケシは、神からもらった宝くじだから、

当せんすること間違い無しだと思っていた。

しかも、高額当せんを願ったのだから、1等当せん間違い無しだと思い、

いろいろと使い道を考えて楽しんだ。

それから毎朝散歩の途中に手紙を届けた神社に行き、

御社の前で一応手を合わす。

しかし、何が神様への礼にかなった行為なのか、良く分からないから、

それだけで終わって、そのまま会社に向う。

まだ、実際に高額当せんが確定したわけではないから、

お供え物とかは願いがかなってからするものだと思って、

ただ手を合わすだけだった。

数日後、いよいよ当せん番号発表の日、

期待を抱いて当せん番号を確認する。

外れていた。

1等どころか、5等の100円すら当たっていなかった。

タケシは、その日の仕事が終わってから夜、

帰宅途中に手紙を届けた神社に出向き、

御社の正面で一応手を合わせてから、どうか姿を現してくださいと願って、

頭を下げてみた。

神が姿を現さないので、御社の周りを見て周り、

もう一度正面に戻ると、神が立っていた。

「神様、約束と言うか願いをかなえて貰えなかったのは、なぜでしょうか」

タケシは、一応相手は神だから、

攻め立てて罰を当てられては困ると思いながらも聞いてみた。

「何を言っているのじゃ、ちゃんとチャンスはやったではないか、宝くじを拾ったろう」

「しかし、はずれていました」

「それは時の運じゃないか、だいたい手紙の配達ならば、

郵便局は80円でやってくれるぞ、

それを100円の宝くじを与えたのだから、十分だろう」

「いえ、その、神様ですから、すごいのかと思って、期待したのですが」

「はっはっは、神だからこそ、平等にチャンスを与えねばならん。

神のように強い力を持つものが、えこひいきをして良いわけがなかろう」

神は、そう言うと静かに姿を消した。

タケシも、確かに神がえこひいきしたのでは困るなと思い、

別に損をしたわけでもないし、数日間よい夢を見せてもらったと思う事にした。

それにしても、神は本当に居るのだなと感心しながらも、

願った人を特別扱いしないのならば、

神が実在して、神に祈っても、

何の意味も無いってことじゃないのかなと、

少し複雑な気持ちになった。

‐END‐



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