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「羨ましい」-1 

角砂糖を2個ティーカップに落としてかき混ぜる。

横で見ていた彼がうらやましがる。

「砂糖を入れられるなんてうらやましい、それに、ダイエットしなくて良いなんてうらやましい」

甘い紅茶を飲めるのがうらやましいのか、

やせていてダイエットしなくて良いのがうらやましいのか、どっちなのだろう。

「あなた、そんなに太ってないでしょ。あなただってダイエットする必要ないでしょ」

彼は少し考えてから言った。

「僕の事はどうでも良いよ、君がダイエットしなくて良いのが羨ましいのだから」

「なんか、自分勝手ね」

「そんなこと無いよ、僕は君のことしか考えて無いもの、だから君がうらやましいんだ」

言葉に詰まる。

いったいどういう理屈なんだと思うが、これが彼特有の考え方だから仕方が無い。

何でもかんでも人のことを羨ましがる。

だからたいていの人から自分勝手で、わがままな性格だろうと言われると思うのだが、

本人は自分の事について何も言っていないのに我がままと言われるのは、

理屈にあわないと主張する。

自分の勝手な考え方で、人を羨ましがるからだと言っても、

羨ましがるののどこがいけないんだと言い張り、羨ましいと思うのは、

相手が自分より優れていると思っているからなのだから、

自分ほど相手を尊重する人間はいないだろうと言い張る。

彼との付き合いも、もう長いのだからいい加減こんな事には慣れてもよさそうなものだけれど、

今でも時々彼の屁理屈を聞かされることになってしまう。

紅茶を一口飲んで、再度質問した。

「紅茶に砂糖ぐらいあなただって入れられるでしょ、何でそれが羨ましいの」

「僕は紅茶があまり好きじゃないから、それに僕がどうでも関係ないだろ。

君のことが羨ましいのだから」

「だから、羨ましいというのは、自分と比較して言う言葉でしょ」

「他の人はそうかもしれないけれど、僕は自分と他人を比較したりしないから、

純粋に君のことが羨ましいだけなんだ」

いつもいつも、こんなやりとりで誤魔化されてしまう。

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