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「はとです。あっそう」-1 

会社の広報担当者から依頼を受けたのは、二ヶ月ほど前だった。

子供の頃の将来の夢について、会社の広報誌に掲載する企画なのだと言ってきた。

記事の企画担当者は、社内の主だった人達、出世した人達が、

子供の頃どの様な夢を持って現在に至るのかを示す事で、

若手社員に夢や希望を持たせる事と、取引先に当社がいかに夢に溢れた会社であるか、

イメージ付けに役立てたいという考えだ。

だから、条件として現職と子供の頃の夢との関係付けを要求されている。

記事の依頼を受けて最初は、何か上手く関連付けられる夢はなかったかなどと考えた。

しかし、3日ほどで諦めて、いかなる嘘、どんな物語を創作しようかと考えた。

考えたけれど、自分に物語を創作する、そんな能力などありはしないという事に、

あらためて気付かされただけだった。

創作できないならば、盗作するか。

誰かの物語を真似てみるか、いっそゴーストライターに依頼するか。

そんな事を考えているうちに、提出期限、締め切りと言うヤツが3日後に迫ってきた。

切羽詰ってから考えると、案外良い考えが浮かぶというのが、子供の頃からの性格だった。

そして、切羽詰った今になって考えてみれば、今の自分の成功を、

過去に夢見ていた事にすれば良いのだから、一から創作する必要は無いのだと気付いた。

そう気付くと、何か考えられそうな気がしてきた。

そして、何かとにかく書いてみる事にした。

まずは、定番のパターンから。

『子供の頃は、貧乏だった。両親は働き者だったのだが、友人の借金の保証人になり、

多額の借金を背負わされ、働いても働いても借金取りに終われる日々が続いた』

まずは、成功した現在との落差をつけるために、

最初は思いっきり貧乏からスタートするのが定番だろう。

そして、貧乏人といえば保証人になって借金を抱えるというのが定番だ。

しかし、貧乏なだけでは在り来たりだ、孤独な生活と言うのも足しておこう。

『家庭は貧乏だったけれど、両親が経営する会社の経営状態は順調だった。

家庭を顧みる事無く、仕事一筋の両親だったからだ。

会社は順調でも借金取りに追われていて、

家にはあまりお金を入れられなかったから、家政婦を一人しか雇えず、

子供の私はひとりで寂しく過ごす事が多かった』

なかなか良いんじゃないか、一人で寂しく過ごす。

そこで、いろいろと夢を描く。

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