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「チェックする」-1 

不幸にはなりたくない、幸せになりたい。

当然誰しもが思う事だろう。

K氏も当然幸せが好きで、不幸は嫌い。

そして、損をするのが大嫌いだから、幸せと不幸のバランスをしょっちゅう考えていた。

不幸の強さ大きさ、幸せの強さ大きさ、それは人それぞれの感じ方によるだろう。

だから、評価の仕方が難しい。

ただ、不幸があれば必ず幸せがあり、幸せがあると必ず不幸が訪れると考えていたから、

幸・不幸がきちんとバランスしないと、不公平だと考えていた。

なので、幸せばかりが続くと不安になり、不幸ばかりが続くと期待が大きくなった。

まるで、幸せを嫌い、不幸を喜んでいるように。

K氏は他人の幸せは、心から喜んだ。

幸せの後には必ず不幸が訪れると考えているK氏だったが、他人の幸せであれば、

訪れる不幸も他人に訪れるだけだから、自分が不幸になるわけではないから、

素直に喜ぶ事が出来た。

K氏は他人の不幸を、心から悲しんだりは出来なかった。

かといって喜んだりはしないから、回りからはちゃんと悲しんでいると思われていた。

他人の不幸は、他人に幸福をもたらすと思っていたから、

素直に悲しめないけれど、自分に幸せが来るわけではないから、

嬉しくも無かった。

K氏がある日散歩をしていると、道端にうずくまって苦しんでいる人が居た。

自分に何か出来る事はあるのだろうかと考えながら、どうしようかと躊躇した。

周りには誰もいない、自分が助けなければ、誰も助ける人はいない。

しかし、何をすれば助ける事になるのかが分からない。

苦しんでいる人にどうしてほしいか聞いて、答えが返ってこなかったら、

話しかけた以上知らん顔してほったらかしには出来なくなる。

気付かないふりをして通り過ぎる事も、今ならば出来る、誰も見ていないのだから。

そんな事を一瞬のうちに考える。

K氏が一瞬と思っただけで、結構な時間が経っていた。

路地から1人の女性が現れて、うずくまって苦しんでいる人に声をかけた。

K氏は助かったと思い、自分もそばまで近づいて様子を伺った。

結局女性の指示でK氏が携帯で救急車を呼び、苦しんでいた人は助かった。

女性は、K氏にお礼を言って立ち去り、K氏は何となく歯がゆい気持ちのまま帰宅した。

「なぜ、すぐに助けようとしなかったのだろう。なぜ、女性からお礼を言われてしまったのだろう」

自分に対して、いたたまれない気持ちのまま帰宅した。


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