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「無重力機」-4

事態が変わったのはそれから数日後の事だった。

最初の報道は報道する側の人間も半信半疑だから、

たいして慌てた様子でもなかった。

逆に落ち着いていたからこそ信頼性が増して伝わった。

巨大彗星が数日中に地球に落下するかもしれないという報道だった。

最初の報道は、かもしれないという程度で、

観測と軌道計算の精度を高めないとなんとも言えないというものだったから、

報道を聞いた人達も特に慌てる事はなかった。

勿論、面白おかしく恐怖心を煽り立てて

視聴率を稼ぎたい情報バラエティ番組では、

彗星が衝突するとどうなるかというシミュレーション映像を流し、

彗星の軌道を変える方法などを紹介していた。

ところが、2日後に彗星の軌道観測と計算の確定値が公表され、

彗星の大きさと衝突時の相対速度が発表されるに至り、

騒ぎは本物になった。

衝突まで70時間を切っている。

軌道を変える様な能力のものといえば、

核兵器だが核を搭載できるロケットが今現在存在しないどころか、

70時間以内に発射可能なロケットは、

地球の衛星軌道に到達するだけで、

地球から遠く離れるような能力が無い。

つまり、数ヶ月の余裕があればともかく、

数十時間しか無いと地球人類に彗星の衝突を回避する手立ては無いと言う事だ。

そして、彗星は質量約100万トン大きさは100m程度だが、

それだけでも大変な事が予測されるのに、

問題はその速度にある。

相対速度が時速約100万km、秒速約300km。

地上から打ち上げるロケットの最高速度はせいぜい秒速20km。

宇宙でさらに加速しても地球との相対速度は秒速70km程度が現在の最高速度だ。

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