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「全休日」-5

2人は躊躇して暫らくその場で様子を伺っていたがやがて、ナミが決心し

「出てみましょうよ、ここに居てもどうにもならないみたいだし」と言いだし、

ノブオも「そうだね、まあ、パスポートは持っているから大丈夫だよね」と言い、

二人は連れ立って外に出た。

出た場所は本来入国審査などを行なう場所のようなのだが、

人っ子ひとり居なくてがらんとしていて、

非常灯しか点灯していなくて、薄暗い場所だった。

自然とナミはノブオの体につかまりながら歩く格好になる。

「かってに出ても大丈夫よね」

「ああ、誰も居ないって事は良いって事だろ。

それにしても人っ子ひとり居ないって言うのはどういう事だろう」

「どういう事って」

「いやさ、少なくとも警備員くらいは居てもよさそうなものじゃないか。

本当に僕達以外居ないってのは、変だよね」

「まさか、バイオハザード的な事とか」

震え上がる2人、薄暗い異国の地で、変な想像はすべきでないと二人して思う。

入国審査所的な場所を通り抜け、

外の待合室に出ると少しは明かりがあり、ホッとする。

しかし、空港の外に出て2人は更に恐怖を覚える事になる。

空港は、人里はなれた山の中だった。

そして、外にまで出ても人影がまったく無くて、

明かりは非常灯と僅かな常夜灯のみであり、

空港の周りには人が居ないだけでなく、

車の一台も無かった。

それでもはるか遠くに街の明かりは見える。

ここで2人はどうしたものかと悩む。

悩んだ末に、空港の待合室に戻って一夜を明かすことにした。

空港内であれば、水道もトイレもあるので、空腹さえ我慢すれば凌げる。

知らない国の夜道を歩くほどの馬鹿では無いと自分たちのことを思った二人だった。

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