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「タイムトンネル2」-6

Y主任自身は、今夜はこのまま徹夜する予定だった。

Y主任の部下達も、

タイムトンネルの駆動装置を手分けして分担して監視していて、

途中に交代で休憩するものの、皆徹夜する予定で臨んでいた。

モニター画面と、タイムトンネル内を交互に眺めながら、

殆ど動かないY主任に、

T氏も見飽きてきた様子で、そっとその場を離れ出て行った。

やっと出て行ったと安心したのもつかの間で、

暫くすると何処で調達したのか、イスと小さなテーブルを持って戻ってきた。

T氏も結果が出るまで見続ける覚悟を決めたようだった。

結局、朝までT氏も立会い続け、

実験開始から18時間が経過した午前9時、

タイムトンネル内のシャーレにはっきりとした変化が現われた。

もちろんタイムトンネルの外のシャーレには何の変化も見られない。

気温がもう少し高ければ、もっと速く結果が出たことには、

誰も気付かなかったが、とにかく成功と思われた。

そして、その後タイムトンネル内のシャーレのカビは、

実際かなり早く増殖して行った。

実験開始から24時間後の午後3時には、

タイムトンネルの外のシャーレの中はカビがまだ目視できないのに、

タイムトンネル内のものはシャーレ全体にカビが繁殖していた。

Y主任も、T氏も、Y主任の部下達も、実験は大成功と確信し、

タイムトンネルを停止して、シャーレを取り出すことにした。

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