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「目撃感」-1 

東京は目黒の芸能プロダクションの応接室で、

私はプロダクションの社長を前に発明品の売り込みに必死だった。

「とにかく、一度試験的に使ってみてください。

使って頂ければ、これの良さや素晴らしさが分かって頂けるはずです」

機械の現物を手に熱弁を振るっていた私は、最後にめいっぱい頭を下げた。

頭を戻し社長の顔をうかがうと、

少し気の毒そうな表情を浮かべながらも、胡散臭そうにこちらを見る。

「本当にこんな物が効果あるのかね。

まあ、仮に効果があったとして、人体に危険は無いのか。

その辺は確かめてあるんだろうね」

「勿論安全性は、自分自身で確かめました。

数日間身につけていても、今こうして何の問題も無く生きてますから。

それに理論的にもまったく危険は無いはずですので」

社長はなかなか納得できない様子だったが、

「只でと言う事ならば、うちの新人アイドルで試しても良いが、

ちょっとでも異変があれば直ぐに外させるが、それで良いな」

「はい、勿論です。では早速取り付け方や、操作方法を説明いたします」

と言い、機械の取り付け説明に移ろうとすると、

社長はそれを制止して

「私に説明されても、私が使うわけじゃないからね、ちょっと待ってなさい」

そう言って応接室を出て行った。

暫らくすると、成人したばかりぐらいの若い男性を連れて戻ってきた。

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