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「目撃感」-3

使用すればするほど自分の存在感が増すのだけれど、

周囲の人達の存在感が自分に集まる機械だから、

たぶん事件現場に居た犯人の存在感を消し、

原田君の存在感を高めたのだろう。

だから、原田君しか見えなかったのだ。

スターを目指す新人アイドルにとって、あの機械は魅力的過ぎたのだ、

連続使用は避ける様にと注意したはずなのに。

ステージ上での強い存在感は、スターのオーラと同じ効果がある。

機械を使用している人を見ると、その存在感の強さから、

何かの魅力で惹きつけられている様に感じ、

相手を魅力的な人物と錯覚する。

たぶんCDの売り上げも伸びたのだろう。

このままにしていてはかわいそうだから、

警察に出向いて事情を説明してやる事にした。


警察から戻った私は、自分の世間知らず振りを嘆いた。

原田君は一ヶ月前に事務所を首になって、

自暴自棄になり強盗を働いただけだった。

事務所の社長は原田君が機械を持ったまま行方をくらましたので、

私には順調だと適当に話していたのだろう。

そして、今のアイドルは、

テレビやネットを通して目立たなければ売れないから、

周りで見ている人にいくら存在感をアピールしても意味が無いらしい。

ただ、原田君は私の機械の性能をまったく信じていなかったようで、

機械を付けたまま強盗を働いたので、

大勢の人に目撃され直ぐに捕まったようだ。

だから、私の機械も少しは世の中の役にたったと信じたい。

-END-

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