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「ゲームのマ王」-11

いつの間にか握っていた手の感触も消え去り、

気が付くと目の前にはCADのモニター画面が広がっていた。

しまった、仕事中にとあせるが、

周囲の人達は何も気付いていない様子。

かなり長い時間意識不明だったと思い、時間を確認してみるが、

5時12分のままで少しも時間が経っていないことに驚く。

むしろ少し時間を逆行したような気がする。

モニターに小さく開いた窓には何処かの民家の庭先のような場所の写真が表示されていた。

窓を閉じて、別の窓でメールをチェックする。

ニュースサイトのメルマガと広告メールが有るだけで、

ざっと目を通して削除し、窓も閉じて設計の仕事に戻る。

今日のノルマはこなしているから、今からやるのは明日の分の仕事。


午後8時工場の現場の明かりも消え静まりかえっている。

事務室にはまだ大勢の社員が残っているが、殆どは帰り支度の最中だ。

僕もCADをシャットダウンして帰り支度を始めている。

明日の分の仕事も殆ど終わらせてしまい、

明日新たな仕事が入ってこなければ退屈で死んでしまうかもしれないなどと思う。

忙しいのは嫌だけど、暇すぎるのはもっと嫌だ。

そして、今日残業していながら明日暇つぶしをしていたら、

回りの人達はどう思うだろうと考えるだけで恐ろしい。

何か自分で仕事を作り出さなければ、

下手をすると上司からも不要な人間扱いされてしまう。

何か新しい仕事を企画できれば、何か新商品を考え出せれば、

何かそんな新しいアイデアを生み出す能力があればと思う。

そして思い出す、夕方の夢の世界の事。

あれがなんだったのかは分からないが、

自分がやりたかった事は新商品を開発する事だったはずだ。

自分で考えた新商品の設計を自分で行なう、それこそが夢だった。

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