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「お酒の神様」-3

開店したてのお店で、

開店祝いに古い酒蔵で作られた上等の酒を商店会からもらったのだが、

夫婦ともに酒は飲めないし、酒を出す店でもなかったので、

もらった酒は料理酒として使うことにした。

高級な酒だから調味料として、

うどんの出しに入れればより味にこくが出るだろうと考えたのだ。

長野屋のうどんを小さな子供が一口食べれば、

あらゆる病気が治るのだけど、そう簡単には誰も気付かない。

それでも、風邪気味で食欲が無く元気の無い子供が、

長野屋のうどんは食べられて、

食べ終わるとすっかり風邪も治るという様な事が何度か起こり、

小さな子供の母親達の間で、

子供が風邪をひいた時は長野屋のうどんを食べさせるのが良いと言う噂が広まった。

ただ、みんなうどんに神通力が有ると思ったわけでは無い。

うどんだから消化によくて体が温まるから、

風邪をひいた時に良いのだと考えた。

さらに、長野屋のうどんは出しが美味しくて、

子供の食欲を引き出してくれるから、

子供の風邪には長野屋のうどんが良いのだと噂した。

そして、子供に良いなら大人にも良いだろうと、

風邪気味の大人も長野屋でうどんを食べるのだが、

体が温まるという効果はあるし美味しいから、

やはり効果が有ったような気になっていた。

風邪をひいたら長野屋のうどんと言う噂が定着した頃、

商店会の会長で酒好きの夫婦の孫が病気で倒れた。

会長は、風邪に効くのなら、

風邪以外の難病であっても多少は効果があるだろうと考えて、

長野屋のうどんの出前を取って孫に食べさせた。

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