fc2ブログ

「お酒の神様」-4

もちろん効果的面で、

治る可能性の低いといわれた難病は、

うどんを食べ終わった途端に治ってしまい、

元気になった孫はすぐさま起きだして、家中駆け回ってみせた。

商店会の会長は、孫が難病から快復した奇跡を祝い、

古い酒蔵の酒の神も祭って祝いの席を設ける事にした。

孫の病を治したかもしれないと言う事で、

長野屋夫婦も招かれたが、

二人とも酒が飲めないので宴会は苦手で、

それでも商店会の会長からの招待では断われなくて、

しぶしぶながら参加する事にした。

商店会会長の孫の快気祝いの宴席には、

上座に酒の神の祭壇が設けられ、招待客の長野屋夫婦はその直ぐ前に座らされた。

孫の病気が快復した事の祝いの席だけれども、

主役の孫はまだ子供だから、宴会の席には入らずに、

別室で母親と御馳走を食べていた。

だから、代わりに長野屋夫婦が主役にされた。

飲めない酒だけれども乾杯だけはと勧められ、無理して少し酒を飲む。

少しの酒で顔を真っ赤にしてしまい、

その後はいくら勧められても断わり続ける長野屋夫婦の姿を、

酒の神は不思議な思いで見守っていた。

酒のように美味しくて、料理の味まで引き立てて、

酔えば楽しい気分にしてくれる、

こんな良い物を勧められているのに断わるなんて、

残念な人達だと思い、なぜだろうかと考えた。

今日の酒も自分が守る古い酒蔵の上等の酒だから、不味い筈が無い。

じっくりと夫婦の言い訳に耳を傾けてみる。

下戸だからとか、飲むと直ぐに寝てしまうとか、

少しの酒で悪酔いするとか言っている。

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

フリーエリア
カレンダー
03 | 2024/04 | 05
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 - - - -
リンク
最新記事
カテゴリ
最新コメント
検索フォーム
QRコード
QRコード