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「乾電池くん」-8

「おい、みんな、誰かここの事情を知っているものはいないか。

おーい、誰か返事をしてくれ。おーい、誰かー」

だめだ、誰も返事しない。

まるでみんな壊れてしまったみたいだ。

壊れてしまった、そうなのだろうか、何か問題があるもの、

壊れたものが入れられた袋なのだろうか。

まさか、ぼくも壊れているのだろうか。

確かにもし壊れていて、自己分析機能までやられていたら、

自分では故障した事を確認できない。

どうしよう、このまままた長い時間こんな場所で、

こんな無口な連中、こんな壊れた連中の中で待ち続けるなんて、

真っ平だ。

ぼくは爆発する事にした。

もう待っていられないから、

ぼくを購入した人の指示で働くのが仕事だとプログラムされていたけれど、

ぼくを買った人がちゃんとぼくを使ってくれないのなら、

この場で爆発してやる。

ぼくを買ってくれた人がどんな風にアルカリ乾電池を使うのか楽しみにしていたのに、

使ってもらえないのならもう良い、ぼくの好きなようにしてやる。

乾電池くんは、爆発モードに自分をセットした。

セットすると自分でももう止められない。

乾電池くんは、乾電池型超小型核兵器。

兵器だけれど人工知能を有し、

自分で考えて爆発する事も出来る。

遠くの星のテロ組織が地球壊滅を目指して、

普通の乾電池に紛れ込ませて日本に送り込んだもの。

自分は何をするものか知らされず、

誰かの指示で何かの役目を果たすものとだけ思わされていた。

その上少し短気な性格に作られていた。

かっとなって勝手に爆発するように。

-END-

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