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「シャーペン君」-1 

ぼくが生まれた場所は、どこか遠くの国だったような気がする。

生まれたてのときの記憶なんてほとんど無いから、

何処で生まれたのかなんて自分でわかりっこない。

とにかく生まれてから直ぐに何かの箱に詰め込まれ、

暗い中で長い時間を過ごしていた。

暗い中で過ごしている間に、色々な場所を移動していたような気がする。

明るい場所に出たときには、コンビニの店内だった。

ぼくと仲間達は、箱から出されると次々に売り場のフックにかけられて行った。

ぼくの右隣は、芯の太さ0.3ミリのシャープペンシル。

ぼくの前後には芯の太さ0.5ミリのシャープペンシル。

そして左隣には体がずんぐりと太い、

持ちやすさが強調された芯の太さ0.5ミリのシャープペンシルが並んでいる。

ぼくらの上には何も無いが、ぼくらの下にはマジックとかサインペンとかが並んでいる。

少し離れた場所には各種ボールペンが並べられているが、

ぼくの場所からは良く分からない。

ぼくは、箱から出されて一度床に転がされてしまい、

中の芯が折れたのではないかと心配している。

床に落ちて、ぼくらを並べていた店員が気付かないでいて、

別の店員が近付いてきて、

ぼくを踏んづけそうになったときは冷や冷やさせられた。

幸いすんでの所で店員が足元のぼくに気付いて、

足を引っ込めたから良かったけれど、

踏まれていたらぼくのやわなボディーは砕けていただろう。

僕は僕を踏みつけそうになった店員に拾われて、そのまま売り場のフックにかけられた。

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