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「シャーペン君」-2

フックにかけられて、最前列だと喜んだのもつかの間で、

直ぐに僕の手前に10本ばかし仲間が並べて掛けられた。

つまり、僕が実際に売れるまでに、手前の十本が売れる必要があるということだ。

当分この場でここのフックにぶら下がって過ごすことが決まった事になる。

長い間、暇をもてあます事になるわけだから、

何か出来る事はないかと考えた。

そして、周りに居る自分の仲間達の事を観察し、

自分がどのようなものであるかを考えてみる事にした。

ぼくの前後だから、

ぼくと同じもの達は体のほとんどが透明なプラスチックで出来ている。

だから、からだの中身まである程度観察する事が出来た。

ぼくの前に居るやつは、なんだか元気が無い。

中身の芯が折れている。

しかも二本以上。

ぼくの中の芯が折れていたらいやだけど、

ぼくの体の中はぼくには見えないのが残念だ。

でも、たぶん折れていれば分かるのだろう。

前のヤツのように。

たぶん折れると力が抜ける。

ぼくは力がみなぎったままだから、中の芯が折れたりしていないと思う。

ぼくの後ろのヤツは元気そうだから、声をかけてみた。

「あの、失礼ですが、・・・」いざ声をかけても、話題を思いつかない。

生まれて直ぐに暗い箱に閉じ込められて、

気が付いたらここにぶら下げられたのだから、

話題にするような事は見聞きできなかった。

何かを問いたくても、すぐには何も思い浮かばない。

暫く考えてから、「あの、すみません。何か知っていますか」と問いかけてみた。

少しはなれたところから、「何も知るわけ無いだろう」と返事が来た。

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